大陸軍の戦略・戦術
2、勝利への戦略五原則
① 作戦軍は同一の作戦目標を持つこと
 

「二兎を追うもの一途をも得ず」
作戦目標をいくつも持っていたとして、それがすべて達成できるとは甘い考えである。

太平洋戦争のミッドウェー海戦の際、日本海軍部隊はミッドウェー島攻略と米国機動部隊主力の撃滅という二つの作戦目標を達成しようと目論み、どちらも得られなかったばかりか、致命的な大損害を喫して敗退するという大きな誤りを犯した。この失敗以後、日本軍は米軍に対して連戦連敗を繰り返し、敗戦を迎える。
日本軍はこの作戦的失敗だけでなく、大戦略面でも同じような失敗を犯している。すでに中国大陸で泥沼化した戦争を続けていたのに対し、枯渇するエネルギー源確保のためインドシナ方面などへ南進を行い、挙句の果てにアメリカ他連合軍との太平洋戦争開戦という、二兎を追ってしまった。

革命以後、フランスの軍事力は兵員数において実に100万を超えていた。このような大軍を、同一の戦略目標に向けて求心的に作戦させることが、まず第一義に考えられた。
ナポレオンの戦略原則においては、全軍に対し単一の戦略目標が与えられていることが重要であった。




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