五輪書
 ~勝つことが目的~
 


 武士が兵法を学ぶ目的
武士が兵法を学ぶ目的とは何であろうか。「五輪書」では次のように説く。
武士が兵法を行う道は、何事においても人よりすぐれることに努め、一対一の切り合いに勝ち、あるいは数人相手の戦いに勝ち、主君のため、自分の身のため、名をあげ身を立てようと思う。これが兵法の利点である。
つまり、勝つことこそが兵法の目的であり、それが主君のためになり、自分の名をあげ身を立てることにもなるのだという。これは、武蔵らしい考え方だといえる。
ちなみに武蔵の兵法の特徴は、二刀を持つことだとされ、「二天一流」の流派もここからきている。
「五輪書」によれば、両手で物を持つと、身体の自由が利かないという。刀も脇差も片手で持つもので、両手で持つと、馬上でも、賭け走る時にも、沼でも深い田でも、険しい道でも、人ごみの中でもよくない。左手に弓や槍を持っていると、太刀は右手一本で持つが、それが正しいのだとする。
ただし、片手で相手を打ち殺しがたい時は、両手で持ってもよいと補足するが、理想は片手だから、片手で太刀をふることを覚えるべきだという。

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