仏教とは ~仏教の三つの学び~ |
仏教の学びには三学という分け方がある。それは戒学、定学、慧学を指す。日常の生活における戒めに関する学習が戒学、心を見つめる修行が定学、そして智慧の修学が慧学である。これらの三つが備わって、初めて一人前の僧侶になると考えられた。戒学と慧学は、学びによって身につけることができるが、定学はまさに身を持って体験することによってしか修得することができないものである。ここに、三つの学びが大きく二つのグループ、すなわち、学と行とに分かれる所以が存在する。 また、いつの間にか仏教者には経綸の研鑽を得意とする者と、修行を得意とする者とが存在するようになった。前者はグランタドゥラ(経綸を支える者)、後者はヴィパッサナードゥラ(観察を支える者)と呼ばれた。人にはそれぞれ学問に向く者と体験に向く者があることは否めないから、二つの類型に分かれたのはごく自然な流れであったに相違ない。 また、僧侶たちの中には、僧院に住する者たちと、高野や森林に住する者たちとが存在した。前者はアーラーマヴァーシン、すなわち僧苑住、後者はアーラニヤヴァーシンすなわち森林住と呼ばれた。僧苑住の僧侶は、経綸の修学を専らとするグランダドゥラの僧侶が多かったのに対し、森林住の僧侶は、瞑想の修業を専らとするヴィパッサナードゥラの僧侶が多かったという。 |