第二次世界大戦後の再編と見直し ~軍備削減と基地の縮小~ |
第二の理由としては、受入国からの米軍撤退要求だった。例えばパナマは、運河地帯の外の米軍基地継続協定の申し入れを拒否した。デンマークはグリーンランドの使用協定終了を要求し、アメリカはグリーンランドをデンマークから購入する提案をするがデンマークは拒否した。44年6月にデンマークから完全独立を果たしていたアイスランドも撤退を要求した。デンマークとアイスランドに再び基地が設置されるようになるのはいずれも50年代になってからの事である。
1946年にアメリカ政府はイギリスに対して、独立が差し迫っているインドとビルマにある、アメリカが戦略的に重要と考える4つの飛行場について、イギリスが管理下に確保するように依頼するとともに、アセンション、タラワ、ガダルカナル、フィジーに建設された軍事施設について米英共同の権利を認めるように要請した。また太平洋の25の島(イギリス18、ニュ―ジーランド7)の主権移譲も打診したが、いずれも英政府に拒否された。オーストラリアも戦争が終わると米軍基地の継続を拒否し、ニューギニアとアドミラルティ諸島を、47年に外国軍基地を認めない国連の信託統治領にした。ただ米海軍は中東のバーレーンの港利用を1948年から許されるようになった。
第三の理由としては、対日対独戦で必要とされた基地であっても、冷戦の観点からは必ずしも重要ではない地域があったことである。例えば南太平洋ルートは、重要性が低下した代表的な地域である。第四には、技術の発展、特に航空機の航続距離の延長により、中継基地を減らすことが出来るようになったことが挙げられる。 |